夜の舟 — 大石まどか

みぞれが頬うつ 衿を刺す
凍る指先 ふところへ
暖められつ 暖めて
闇に包まれ 身をかくす
ひそかに漕ぎ出す 夜の舟

咲いてはいけない 花を知り
責めちゃならない 罪を知る
二人じゃ乗れぬ 一人舟
添えぬさだめに そむいても
身を寄せ漕ぎ出す 夜の舟

涙を集めた 浮世川
渡り切れない 向う岸
分け合う愛の 儚さを
超えて行きたい 恋ひとつ
あなたと漕ぎ出す 夜の舟