朝霧は こらえ切れない 女の吐息昨夜(ゆうべ)の名残りか 燗(かん)ざまし何も言わずに 目で詫びて背中で別れ 告げるひと あゝせゝらぎの すゝり泣くよな 風の宿窓を打つ みぞれ凍(し)ばれて 小雪にかわりあなたを包んで どこへゆく障子ほそめに 耳を寄せ消えゆく靴の 音に泣く あゝむらさきの 恋は幻 風の宿人なみの 明日(あす)を下さい こぼれた花にひとりが淋しい しのび酒箸の袋が 鶴になる一生ぶん
祭りの山車(だし)には からくり人形古い街並み 有松(ありまつ)は 夕陽のしぼり坂鹿(か)の子 巻き上げ 柳のしぼりわたしは胸の 涙をしぼるああ にぎわいに 背中を向けてまだあの人 想ってる今も抜けない 恋の括(くく)り糸出会いも別れも 突然でしたねほんのつかのま幸せの 風がすり抜けた時はあの日の サヨナラすらもいつしか淡い 思い出にするねぇ さびしいね 男と女なぜこころが すれ違う好きになるほど
夢の名残りか 淡雪がそっとふたりの 肩に舞うつらい別れが 来るのなら逢わなきゃよかった あの夜にこの手のばせば 溶けてゆくおんなは果敢(はか)ない… 春の淡雪(ゆき)濡れたこの頬 指先で拭うあなたは もういない肌を重ねた 倖せも明日からなるのね 想い出に積もる間もなく 消えてゆくおんなは切ない… 春の淡雪(ゆき)帰るあなたの その背中追ってゆけない 縋(すが)れない今度この世に 生まれたら一生添い
愛するだけでは 結ばれないとわかっていながら 夢をみた女ひとりの… もどり橋別れに泣いたら 涙を見たらきっと苦しむ あゝあのひとがこのまま私と 一緒にいたらあのひと世間を 狭くする迷い断ちきる… もどり橋おんなの盛りを ふたりで生きた悔いはないのよ あゝ何ひとつ今でも時々 恋しさ憎さこころで波打つ 渦をまく女ひとりの… もどり橋誰よりやさしい あのひと忘れいつかなりたい あゝ幸せに
祭りのあとの 淋しさは秋風しみる 虫の声昨夜(ゆうべ)あんなに 燃えさせてみやこへ行くと 消えた男(ひと)誰かをつれて 帰ったら三田井の岩で 取りおさえ天の岩戸の おん前で朝陽(あさひ)さすとも 離しゃせぬいつまで待てば いゝんやらあんひと遠く 届かない嫁に行くなと 言うんなら死ぬまで鎌を 抱いて待つあんたのことが てげ好きやじあんたのことが てげ好かんあんたのことが てげ好きやじあんたのことが 
みぞれが頬うつ 衿を刺す凍る指先 ふところへ暖められつ 暖めて闇に包まれ 身をかくすひそかに漕ぎ出す 夜の舟咲いてはいけない 花を知り責めちゃならない 罪を知る二人じゃ乗れぬ 一人舟添えぬさだめに そむいても身を寄せ漕ぎ出す 夜の舟涙を集めた 浮世川渡り切れない 向う岸分け合う愛の 儚さを超えて行きたい 恋ひとつあなたと漕ぎ出す 夜の舟
忘れなくては いけない人を送る蛇の目に 涙雨小さな愛で いゝからと今日まで今日まで 来たものを夢が夢が 夢が泣いてる 露地しぐれ思い切れない 未練がつのる恋はまぼろし 風の中あなたにはぐれ ないように小走りぐせさえ まだ残る夢の夢の 夢のしずくか 露地しぐれ花は散るから いとしさ沁みる人も別れが あればこそ運命(さだめ)に耐えて 明日(あす)をみて今日から今日から 生きるのよ夢を夢を 夢を下さい 
帰したくない あなたの背中涙の向こうに 消えてゆく花を濡らした 絹糸の雨蛇の目をたためば… 雨あがりあゝわたしなら 大丈夫歩いて行けるわ ひとりでも…あなたひとすじ 愛してきたの悔やみはしません この恋を山の彼方に 七色の虹こころもいつかは… 雨あがりあゝわたしなら 大丈夫未練は流すわ 泣かないわ…雨のしずくを 振り切るようにあなたを忘れて しまえたら仰ぐ夜空は 満天の星明日も晴れるわ… 雨あがり
迎えに来るよと 云ったひと言を信じて待ってた 春ふたつ逢いたい想いが 断ちきれずひとりで向かう… 函館空港こんな女の 我がままをあなたは許して くれるでしょうか…教会(チャペル)の鐘の音(ね) ふたり聞きながら肩寄せ歩いた 石畳見送る人さえ ないままに海峡こえる… 函館空港生まれ育った 故郷(まち)を捨てあなたのこころに 飛び立つのです…どんなに好きでも 遠く離れたら愛さえ凍えて ゆくようで窓から
雪より白い やわ肌のけもののような 血が哀し百日ぶりの 嬉しさに書物(ほん)をかさねて 恋まくらやがては崩れる 書斎(へや)のすみすがるま昼の みだれ髪今さら道徳(みち)を 説かれても両手で耳を ふさぎます誰かにあなた 迷うなら毒をからめた 蜜をぬりくちびる合わせて 添寝するついて行きたい どこまでも見送る肩に 散る花の夜風にはらり 名残り紅罪の子抱いた はたち妻惜しむ別れを 枝折戸(しおりど)が
冬が過ぎれば 春は来る早く来い来い 春よ来い苦労の涙よ 春待ち花と咲け喧嘩するのも 好きだから許されゆるしあなただけお前だけ 二人信じて春を待つ花よ咲け花よ咲け 明日はきっと咲け雪の重さも 冷たさもあなた居たから 耐えられたかわいた都会(まち)にも 春待ち花は咲くスミレタンポポ 踏まれても頑張る命あなただけお前だけ 二人信じて春を待つ花よ咲け花よ咲け 明日はきっと咲け支え合うのが 人ならばかばい合
灯りともれば はなやぐ路地の義理も人情も 恋には勝てぬあなたやさしい 惚れさせ上手忘れさせるの 下手なひと紅が紅が哀しい 左褄逢えばはしゃいで 別れにぐずり泣くもじれるも ふさぐも飲むもうわさ信じて うらんでみてももどる笑顔は あなただけほれてほれてしまえば 女ですすねて障子を 背中でしめて帰すときまで 私のあなたないて身をひき 爪弾く小唄切ると言う字は
コートの衿に 涙かくしてネオンの海に よろければ想い出グラスの 止まり木は氷のすき間に あなたが浮かぶ頬杖つかなきゃ 崩れそうつのる思いの 忍び雨私のようね 壁のすみ絵は春でも咲かぬ 冬ざくら想い出グラスの 面影にどうにもならない さだめがにくい飲ませて酔わせて ねむるまで外は哀しい 泣きしぐれセーター肩に かけて見たけど心のさむさ
海鳴りが 空で哭く波が素足に 戯れる愛する男と 別れたら女のこころは 脱け殻です恋路ヶ浜の 風よ夕陽よ明日から私は どうしたらいいの…砂浜に 崩れ落ちそな今は-寄り添ってささえる 道づれが欲しい足許の 忘れ貝耳にあてれば あの声が…想い出さえも 捨てたなら躰もいのちも 寒すぎます伊良湖岬を渡る 二羽のカモメよおまえは倖せ
真面目に生きれば しんどいこの世女のわたしも わかります熱燗一本 つけますか-せめて今夜は お酒に酔って苦労の荷物は忘れてよ外はみぞれの… 外はみぞれの…冬のれん男が手酌で しんみり飲めば心がなおさら 沈みこむわたしに一杯 注がせてよ-聞けばおんなじ 北国育ち初めてみたいな 気がしない港はずれの… 港はずれの…冬のれん凍(しば)れた夜更けは お客も来ない硝子戸ひゅるひゅる 鳴るばかり今夜はゆっくり
蝶の亡きがら 憂しく包み雨にふるえる 紅いろ椿生きる別れる どちらもつらいおんな何なく 恋に泣く伊豆の坂みち ひとり旅…息をひそめて 抱かれて燃えて固く結んだ 手猫きの帯はあなた無ければ 崩れてしまう旅に捨てたい 恋なのに嘘に逢いたい すがりたい…しのび泣くよな せゝらぎの宿凛と咲いてる 紅いろ椿きしむ鞐(コハゼ)の 足袋はきかえて障子あければ 雨上りぬれて色増す 天城やま…
雨の桟ばし 消えゆく背中はだしで駆けだし 呼びとめて泣いてすがれば よかったかしら爪の先まで 燃えてるものをああ船は出て行く 情なし海峡カモメお前の つばさが欲しいあの船おいかけ 飛んで行く他のどなたの やさしさよりも惚れたおとこの 無理さえいとしああ呼んで届かぬ 情なし海峡夜の静寂(しじま)に 波音だけが逢いたいにくいと せめぎ合うたとえさだめに 負けても私きっと死ぬまで あなたの女ああ未練ひき
ストロベリームーン 待ち焦がれてた奇跡的で素敵な夜を 貴方とストロベリームーン 夜空に浮かんだ可愛い月ながめながら ワインあけたらバラの花びら バスタブ浮かべて向き合いながら グラス合わせましょう涙が出るほど嬉しい 貴方がいるから嬉しい千年先まで二人のこの愛 守ってねストロベリームーン 七色シャボンが月の灯りでキラキラ風に 飛ばされストロベリームーン 二人の絆はきっと強く時を超えて 永遠になる夜が
にわか雨 水溜まり水しぶき 太陽の照り返しぼんやり見ていた 何げない風景人生 そのくり返し雨上がり ゆっくりと虹が目の前 広がる胸にきざんだ ゆずれぬ夢にも一度 命燃やしてアー 人として アー 自分としてつつましく たくましく生きて行きたいあやまちを 恐れずにがむしゃら 今まで生きてきた思えばときめき せつなさつらさ喜び 涙流れてた旅をする 日々の中貴方のぬくもり 感じて祈りをこめて 見上げた空に
女は咲いて 花になる男は光る 月になるいのち懸け 恋をして あぁ燃えた日々愛の名残り 胸に秘め添えきれぬ ひとなら潔く燃え盛る東山 比叡おろしが錦に染め上げてなみだの川に 面影うかべ真っ赤に 真っ赤に 紅をさす女は流れ 川になる男は積んで 山になる散る紅葉 身を焦がす あぁ恋のよに思い切れぬ ひとだから別れると 悲しいうそをつき消えかけたこの恋よ 比叡おろしに愛しくまた燃えてなみだの川に面影うかべ
瀬音ながれる 狩野川(かのがわ)の川面にゆれる 宿灯り命まるごと あげてもいいと誓ったあの夜が 恋しくてひとり涙の 小夜(さよ)あらし梳(と)いた黒髪 湯のかおり恋しさにくさ せめぎあうあの日、死のうと あなたが言えばわたしは迷わず 死ねました命競(きそ)った 恋絵巻一夜(ひとよ)千年 刻(きざ)むよに抱かれるたびに 愛しくて命まるごと あなたにあげた女のこの胸 濡らすよに時雨(しぐれ)かけ足 伊
よさこいの 賑(にぎ)わいさけて 二人きりそぞろ歩きの 桂浜あなたが語る 大きな夢に空の月まで 笑ってたそして今、私はひとり涙の 雨の中浦戸湾(うらどわん) 鯨(くじら)を釣りに 沖へ出る舟はあなたの 幻(まぼろし)か亡くして気付く 大切な人きっと一生 忘れないそして今、私は傘もささずに 雨の中月冴えて 寄せては返す 波の音まるで昨日の ことみたいもう泣きません 明日からきっと強く生きると 誓いま
ひとりでは ひとりでは生きて行けない 死ねもせず追えば溺れる 木の葉舟情に棹さし 流されて浮かぶ瀬もない 深い川髪をなで 髪をなで俺を捨てろと 詫びたひと岸の柳が 身をもんで未練ごころに からみつく夢も住めない 深い川明日から 明日からあなた他人に なれますかけじめすんでる はずなのにおんな命は くるおしく渡りきれない 深い川
日傘片手に 汗滲ませて大川端から 夕陽を拝むあなた好みの この帯締めて永代渡れば 心が騒ぐ別れてふた月 涙も枯れて胸を引き裂く 蝉時雨拗ねて甘えた 私の髪を離しはしないと 優しく撫でたあれは去年の 水かけ祭りも一度木遣りを 聞かせて欲しい約束誓った 八幡様に想い出させる 蝉時雨未練深川 堀割伝い粋な三味の音 愛しさ募る夢であなたに 抱かれていても醒めれば儚い 孤独(ひとり)が沁みるそんなに激しく 
涙買いましょう 外は凍(しば)れる人の涙が 雪になる津軽こぎんの 暖簾(のれん)をくぐりゃ酒の肴は この笑顔酔いに来い 辛いときゃ 酔いに来いここは雪国 居酒屋「津軽」愚痴も買いましょう 吹雪止むまで荒れた心じゃ 明日(あす)がない海が時化(しけ)れば 女房も嘆(なげ)くあんた やり場が なかろうに泣きに来い 悲しけりゃ 泣きに来いここは雪国 居酒屋「津軽」釣銭(つり)は出しません 全部貰(もら)
すすり泣くのは 霧笛か鴎(とり)かあなた失くした 女の胸か冬も間近い 季節にひとり恋のぬけがら 捨てに来た海に未練の 浪が立つ悲しみも雪まじり 能登しぐれわざと自分を いじめるように傘もささずに たたずむ岬二度とあなたに 戻れはしないわたし浜辺の 捨て小舟寄せる運命(さだめ)に 凍えてる涙さえ雪まじり 能登しぐれ一夜(ひとよ)泊まりの 情けの灯り窓のしずくに あなたが浮かぶお酒相手に 聞く潮騒はひ
極楽とんぼと 世間は云うが惚れて一緒に なったひと世渡り下手な男(ひと)やから出世にゃ縁は 遠いけどうちの人… うちの人…あせらずぼちぼち 行きまひょかあんたにゃ私(あたし)が ついてますひとつの苦労を ふたりで分けるそれが女房と いうもんや苦しい時は この笑顔背中を押すわ ささえますうちの人… うちの人…はんぶん子供で 甘えん坊あんたにゃ私が ついてます人情浪花の 八百八橋今日もしあわせ 遠まわ
雨が静かに 降る夜はあの人近くに 居るようで今もわたしで いいのならつくしたいのよ もう一度ばかね 会いたくてばかね 会いたくてちいさな酒場で ひとり酒何も言わずに 指きりをあの人どうして したのでしょう夢を見たのよ 一度だけあれはさみしい 年の暮れそうよ 会いたくてそうよ 会いたくてちいさな酒場で ひとり酒傘のかわりと 肩を抱くあの人やさしい 人でしたもしもどこかで ひとりならここに帰って 来て
春の夜に 花が散るひとつの恋が 終わります思い切れない この黒髪にはらはらと 桜がなぐさめる涙も静かに 春一夜春が来ると 蝶が来るうれしい夢を くれました弾むくちびる 紅さしながらゆらゆらと 女は蝶と舞うあの日はまぼろし 春一夜春の空に おぼろ月涙でくもる 白い月忍ぶ恋だと この指先で背の中に 何度も書きました心が流れる 春一夜
奪って下さい 好きならば逢えば冬でも 蝶になる肩で息して 雪の中日暮れ嵯峨野路 忍び里ニの字みだれる ニの字みだれる下駄のあと…ほんのりうすべに 手鏡の女みじかい 春を知る明日がなくても 悔いはない待てば焦がれる 忍び里外は静かな 外は静かなぼたん雪…信じるだけの 恋だけど夜に抱かれて 華になり朝の吐息に 散り急ぐ帰る裏木戸 忍び里夢の名残りか 夢の名残りか今朝の雪…