偶成 — 加川良

何にも知らない お人好しのぼくは
友からいつの間に 裏切られていたのかも知らず
何にも知らない お人好しのぼくは
恋人がいつの間に 心変わりしていたのかも知らず
いつも一人で 友情のことを思い
いつも一人で恋人との将来を夢見ていたのでした。

何にも知らない お人好しのぼくが
事実を始めて知ったとき
何にも知らないほうが しあわせだったのにと
教えた友を恨んだものです。

ぼくだって
知らず知らずのうちに 人の心を傷つけている。
何にも知らないほうが
いいときだってあるでしょう。