こがらし・えれじぃ — 加川良

屋台じゃ 焼そば20円 焼酒が25円で
靴は水のしみるものさ
シャツとはボタンのとれるものさ
いつでも風が吹いていた
待っても都電は来るもんか
穴ぼこだらけのアスファルトに
なんでもないからならずものだってさ
純情かれんなすれっからしだってさ
やる気がないからやくざにゃなれず
たかだか女にたかるだけ
てんからてんてんすっからかんのからっけつ
こんこんからせき 空っ風
あかはた 墓ほり ゼニの虫
こがらし こがらし こがらしの街に 今も昔も

朝だぜ 今日ならどこへ行く 俺ならどこへ行く
汗をかくのはコンクリートさ
ひずんで笑うのはアスファルトさ
いつまで風が吹いたって
さよならいうのはお前だけ
チューブのしりからはみ出している
歯みがきのような明日だってさ
それでも明日がころがってるんだとさ
ここを出ていくのはお前さ
こがらしの街にたたずんで
てんからてんてんすっからかんのからっけつ
冷い風は何の色
公害 ヘドロにハッシッシ
こがらし こがらし こがらしの街に 今も昔も

この世じゃ 思いのままならぬ あの世じゃ なおならぬ
ツメをしゃぶって 酒をのんで
横眼でにらんで ツバを吐いて
いつまで愚痴を言ったって
帰ってくるのは風の音
ちんたらぴゅうぴゅう風の音
その上泣くのは腹の虫
どうにもならないおしゃか様
苦しまぎれに涙をのんで
風吹く街に飛び出して
てんからてんてんすっからかんのからっけつ
行きつく果ては闇の果て
武士道 男色 腹切りか
こがらし こがらし こがらしの街に 今も昔も