城崎しぐれ — 出光仁美

恋の終わりの 涙のように
頬にポツリと 走り雨
但島(たじま)湯の町 朱色(あか)い橋
傘をさしても こころが濡れる
おんな未練の… 城崎しぐれ

他にいい男(ひと) 探せばいいと
なんで悲しい ことを云う
カラリカラコロ 下駄の音
ひとりぼっちが なおさら沁みる
湯の香せつない… 城崎しぐれ

傘のしずくを 振り切るように
拭(ぬぐ)いきれない この思慕(おもい)
石の灯籠 夢灯り
追えば倖せ スルリと逃げる
おんな未練の… 城崎しぐれ