あばよ一つで 出てゆく俺を責めてくれるな 鴎の群れよいくら惚れても あの娘を船に乗せてゆけない カムチャッカ沖にゃなまじ一夜の 情けをかけりゃ辛くなるんだ 野郎船…陸で暮らせる 男になれりゃ泣かすもんかよ 可愛いあの娘海が荒れれば こころが時化る後ろ髪ひく 面影ゆれる風よ吹け吹け サハリン颪(おろし)男未練が 消えるまで…縁があるから いつかは逢える例えどんなに 離れていてもわかれ間際に あの娘が
冬のカモメが 霙(みぞれ)にぬれて一駅過ぎても ついてくるどこか別れた おまえのようで途中下車した みなと町二つの恋に 揺れまどうおんなの涙が つらいから俺は黙って 旅にでる潮風つめたい 羽越本線日本海返せなかった 合鍵ひとつ波間に捨てたら あきらめるこころ変わりを 恨んでみても胸の痛みが 増すばかり明日は雪に なるだろか海鳴り淋しい みなと宿おまえ今頃 どうしてる瞼の面影 俺を今夜も泣かせるよ心
波のしぶきで このツラ洗う黒潮ハガネの 腕っぷし東シナ海 西から東夢と魚を 追ってゆく海の男のヨォー ふるさと甑島(こしきじま)俺も十五で 島立ちしたが伜(せがれ)もこの春 島を立つ海は広いが 世間も広いデカい男に なって来い笑顔かわいいヨォー 嫁でもつれて来いいつか島酒 お前とふたり呑み干すその日が 来るだろう海の男は 黙って笑え今日の島立ち 待ってたぞ俺とお前のヨォー ふるさと甑島
夜の港の 舟だまりなんで泣くのさ 心配ねぇよ世間の風なら 仕打ちなら俺が受け止め はねかえす涙 潮風 ふたりの港町ふたりあの街 捨ててきた明日はどの街 なんとかなるさ不幸になるなら それもいいふたり寄り添い 生きてゆくそれで いいだろ ふたりの港町俺にやすらぎ くれるたび涙つつんで 捨ててるお前子供みたいと あきらめて俺のわがまま きいているごめん ごめんよ ふたりの港町